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2009-08-13(Thu)

絶滅したはずの鳥は偽名で生きていた

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ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト8月12日(水) 14時55分配信 / 海外 - 海外総合

 絶滅したはずの鳥、タスマンアオツラカツオドリが名前を変えて生きていたことがわかった。骨格とDNAについて調べた結果、近縁種と推定されていたアオツラカツオドリとまったく同一の種であると判明したという。

 オーストラリアとニュージーランドに挟まれたタスマン海に浮かぶ小さな島々に生息していたタスマンアオツラカツオドリは、捕獲しやすい上に食用にも適していた。人間がそのことに気付いた時から、この鳥の受難の歴史が始まった。

 最初の悲劇が訪れたのは12~13世紀のことだ。オーストラリアの東に位置するノーフォーク島に移住してきたポリネシア人が手当たり次第に捕獲したので、絶滅寸前にまで追い込まれてしまった。

 だが彼らは絶滅してはいなかった。わずかな個体数ながらその後500年もの間、ロードハウ島に生息していたのだ。ロードハウ島は、ノーフォーク島とオーストラリアの間にある小島だ。

 その後、悲劇が再び彼らを襲う。ヨーロッパの船乗りたちが食用に乱獲したためだ。それ以来タスマンアオツラカツオドリは姿を消し、現在に至るまで絶滅したと考えられていた。

 だが研究者の間ではかねてから、絶滅したはずのタスマンアオツラカツオドリと、北タスマン海北部に現生しているアオツラカツオドリは近縁種なのではないかと推測されていた。この2つの種は、オス、メスともに体型が類似している上、どちらも翼が長いのが特徴だ。

 研究グループのリーダーを務めたニュージーランド、カンタベリー大学のタミー・スティーブス氏は話す。「こうした推測の真偽を検証するためには、動物学者や古生物学者、遺伝学者らの専門知識を結集しなければならない」。

 スティーブス氏らは、タスマンアオツラカツオドリの化石とアオツラカツオドリの骨を用意し、構造とDNAを比較した。その結果、両者の骨には構造上の違いがほとんどなく、DNAにいたっては完全に一致した。

 タスマンアオツラカツオドリは実際には絶滅しておらず、約300年もの間、アオツラカツオドリに名前を変えて生きていたことがわかったのだ。これについてスティーブス氏はこう話す。「ここ数十年の間、古生物学者と生物学者との間でコミュニケーションが不足していたことが原因だ」。

 当時、古生物学者らはオスとメスの区別がつかないままに骨の比較を行っていた。実際は、メスのタスマンアオツラカツオドリはオスに比べてはるかに小さい。事実、彼らが比較したのはメスのタスマンアオツラカツオドリの化石とオスのアオツラカツオドリの骨で、体格の違いから両者が異種だと判断してしまったのだ。

 スティーブス氏は今回の研究に着手する以前から、非常に多くの共通点を持つタスマンアオツラカツオドリとアオツラカツオドリが、同じ進化系統に属する近縁種であると予測していた。しかし、両者が完全に同種であるとは予想だにしていなかった。

 同氏はこう語る。「同種だとわかったときは本当に驚いた。これほど明確な結果が出ることも珍しい。徹底した野外調査を行った末に、絶滅したはずの鳥類が再発見されることはよくあるが、われわれはそれを実験室の中だけで発見した。このような事例は初めてだろう」。
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